多結晶パネルで変換効率世界一を樹立した京セラ

solerpanel

京セラの関わり

 多結晶に拘って太陽電池の製造を続けてきた京セラは、パネルの変換効率を犠牲にしながら、国産品質をより安価に提供できることを強みに、人気を確立してきました。
 大手等との提携で露出を高め、実績や知名度が特に高いメーカーの一つであるものの、近年は需要拡大で特に単結晶パネルの価格も下がってきた事で、単結晶も含めたラインアップ拡大を図っています。

長年の強みは高品質低価格・国産多結晶パネル

ホッとしている女性 住宅用太陽光発電ではより高効率な単結晶パネルが主流ですが、長年京セラでは生産コストが低い多結晶太陽電池をより高パフォーマンスに製造することに特化して、ソーラーエネルギー事業を進めてきました。また、発電セルの原料であるインゴットからモジュール組立までの一貫生産をいまだに国内工場で行っているメーカーの一つで、まじめなものづくりを続けているメーカーともいえます。

☆京セラの太陽電池を支える「Gyna(ガイナ)セル」や「d.blue」

 京セラは多結晶の太陽電池に特化して長年高効率化のための研究を続けてきましたが、プラスとマイナスの再結合を防ぐといった新技術で飛躍的な効率の向上を実現させました。2011年12月の多結晶シリコンセルの効率17.8%という記録は世界一となり、この功績を広く訴求するために同セルに「Gyna」と名付けて販売開始されました。2014年には18.6%とさらに記録を更新しており、新製品での同セルの採用が待ちどおしいところです。
 その他に京セラのほとんどのパネルで採用されているのが「低反射ガラス」と「d.blue」です。低反射ガラスで、反射してしまう日光の量を減らすことができます。加えて太陽電池セル自身には「d.Blue」技術(セル表面に微細な凹凸をつくり反射ロスを抑える)を採用したことで、多結晶シリコンの性能をより多く引き出すことに成功しています。

これからの京セラの強み

①ついに京セラから単結晶が登場

 固定価格買取制度導入後は日本国内市場がさらに大きくなり、ニーズや業界も変ってきています。より多くの容量を載せることでより多くの売電収入を見込めることから、初期費用の安さよりも設置容量を伸ばしたいニーズの高まりや、価格で中国メーカーと競争しなければいけない状況が増えてきた事から、京セラは長年こだわってきた多結晶一筋から、単結晶の開発・販売開始に踏み切っています。

②京セラの多結晶と単結晶、どちらを選ぶべき?

 京セラの新製品の単結晶パネルは、希望小売価格で多結晶と単価が20円/Wしか変わらない価格設定をしていて、売電収入の面で考えても単結晶を選ぶ方がお得であると考えられます。

京セラのソーラーパネル・カタログ

 京セラの太陽光発電パネルはラインナップの豊富さが特徴の一つです。ニーズに合わせて選べる反面、どれがどういいのか分からない・決められない、という方も多いのではないでしょうか。
 基本的には現地調査で最適なモデルを施工店が提案してくれますが、自身でもそれぞれのモデルの強みや特徴を知っておくと価格交渉や施工店選定に役立ちます。

①寄棟屋根用「エコノルーツ アドバンス」

型番  種類 出力 効率
KJ175P-3MTCA 単結晶 175W 15.13%
KJ115P-3MTCA 単結晶 115W 14.74%
KJ81P-3MTRCA 単結晶 81W 12.06%
KJ81P-3MTLCA 単結晶 81W 12.06%
KJ73P-3MTCA 単結晶 72W 12.45%

 寄棟屋根の様に複雑な形状の屋根に合わせて設置容量を増やせるメリットがある「エコノルーツ アドバンス」。実際は「エコノルーツ タイプU」や「エコノルーツ タイプR」のほうが、単結晶でもより効率の高いものになっています。つまり、「エコノルーツ アドバンス」が活かされる場面はあくまでこのモデルでないと設置容量が極端に少なくなってしまう様な寄棟屋根などに限られると考えてよさそうです。

②切妻屋根に最適な「エコノルーツ」は2種類

型番  種類 出力 効率
KJ210P-3MUCE 単結晶 210W 15.85%
KJ200P-3CUCE 多結晶 200W 15.10% (Gynaセル使用)

「エコノルーツ タイプU」はスレート瓦専用とされており、縦置き・横置きどちらも可能でさらに傾斜屋根用としては一番効率が高くなります。屋根の縦横の長さにもよりますが「タイプU」が載せられる屋根の場合は一番設置容量が増やせる可能性が高いです。

型番  種類 出力 効率
KJ210P-3MRCE 単結晶 210W 15.51%
KJ140P-3MRCE 単結晶 140W 15.16%
KJ200P-3CRCE 多結晶 200W 14.77% (Gynaセル使用)
KJ131P-3CRCE 多結晶 131W 14.19% (Gynaセル使用)

「エコノルーツ タイプR」はベーシック傾斜屋根用とされており、単結晶・多結晶ともに標準サイズとスリムサイズの2種類を組み合わせて設置容量が増やせるシリーズです。
 効率は「タイプU」と比べて低いものの、スリムサイズとの組み合わせで容量を増やせる可能性も高く、更に適した屋根の範囲が広い汎用タイプのため出荷量が多くなり、価格も安価になりやすいと考えられます。

③陸屋根には「エコノルーツ タイプG」

型番  種類 出力 効率
KJ210P-3MD4CE 単結晶 210W 15.85%
KJ200P-3DJ2CE 多結晶 200W 15.06% (Gynaセル使用)
KJ200P-3CG3CE 多結晶 200W 15.10% (積雪地域・折板屋根)
KS240P-3CF2CE 多結晶 240W 14.59% 受注生産

 住宅よりも、事務所やアパート等に多い陸屋根には「タイプG」を使用します。架台によって傾斜をつける設置方法です。また陸屋根設置は設置角度が低くなりやすいため、フレームに水切り加工を施して汚れにくくしています。

④新築・リフォームには「ヘイバーン」

型番  出力 効率
KJ61P-4AYCB 61W 8.73%
KJ50P-4AYCB 50W 8.58%
KJ39P-4AYCB 39W 8.37%

 屋根材として使用できる「ヘイバーン」には、新築やリフォームといったシチュエーションが考えられ、家の見た目の美しさを特に気にする方に最適です。ただ効率が極端に低くなり、出荷量も多くないために価格が高くなりがちです。同様に美しい配置が可能な「サムライ」シリーズという選択肢も考えてみるといいかもしれません。

⑤世界最小の太陽電池「サムライ(SAMURAI)」

 日本の住宅用太陽光発電市場における一般的なソーラーパネルの大きさは、一辺が1メートル前後で面積1.2~1.7㎡程度の長方形です。
 京セラの太陽光発電の主力製品である「サムライ」シリーズは、なによりもその小ささが特徴。面積が約0.35~0.6㎡からなる3パターンのパネルによるシリーズです。

型番  種類 出力 効率
KJ80P-3CSCA 多結晶 80W 13.70%
KJ64P-3CSCA 多結晶 64W 13.70%
KJ48P-3CSCA 多結晶 48W 13.70%

※次世代サムライの公開はいつ?

 このシリーズの様な小型で特殊な形状のシリーズにつきものなのが出荷量が少ないということ、そして製造の際にスケールメリットが生かしにくく、モデルチェンジも後回しになりがちな所です。値下げ幅が小さく、パネル効率の向上も遅れがちになります。
 多結晶の小型パネルとしては決して変換効率が低いわけではありませんが、「サムライ」を採用するメリットが薄まりつつあると感じるのも無理はありません。期待されるのはセル変換効率で18%を超える単結晶セルを採用した効率15%超えのサムライでしょうか。

京セラのパワーコンディショナ―

型番  設置 定格出力 変換効率
PVN-405HM 室内 4.0kW 95.0%
PVN-552 室内 5.5kW 95.0%
KP44M-J4-KC 室内外 4.4kW 95.0% (オムロン製)
KP55M-J4-KC 室内外 5.5kW 94.5% (オムロン製)

業界唯一の自然災害保証

洪水状態の街並み 出力保証やシステムの不具合に対しての保証は、10年を基準として多くの大手メーカーが定めていますが、自然災害にも補償が適用されるメーカーは京セラだけです。落雷・台風・家事・洪水といった、万が一の災害も心配することなく、より安心して太陽光発電を続けられます。